屈折補正用眼鏡レンズが最低限そなえていなければならない安全性や耐久性など、特に材料や透過率に関わる性能特性について規定する規格です。
主にいわゆる度付レンズに関するものですが、当社で扱っているサングラス用レンズCR−39は、度が入っていない眼鏡レンズと考えられ、今後、広い意味で、サングラスにも同様の要求が求められると考えられます。特に、同様の規格は欧州規格(CE)でも要求されており、国内だから関係ないとはいえない状況となりつつあります。
サングラスを企画される際に少しでも参考になればと思います。
1、一般的要求事項
a)性能 レンズは、ISO8930シリーズに対応するJIS規格に適合すること。
b)設計 使用時に予想される危険性全般を低減させるように設計すること。2、材料
a)生理的適合性 通常の使用によるアレルギー反応を生じる材料の使用防止 (現在のところ、問題ないと考えられる。)
b)燃焼性 燃焼しやすい材料の使用防止(燃焼が継続しないという点で、
殆どの製品が合格している。)
c)機械的強度 準静荷重の試験(直径22mmの鋼球を100Nの力でレンズへ押し付
ける)に耐えること。
3、透過率
車の運転や道路歩行時の安全性確保のため、レンズの色や
色調について規定されてます
a)一般的要求事項
屈折補正用眼鏡レンズとしては、視感透過率が3%以下になっては
いけません。
b)運転中の使用を目的としたレンズの追加要求事項
視感透過率8%以下のレンズは、運転用または道路での使用には
適しません。
1)分光透過率
500〜600nmの波長域での分光透過率の最小値が、
(0.2*視感透過率)以上であること。
2)昼光での使用
昼間の運転には、視感透過率が8%をこえていること。
3)夜間での使用
夜間の運転には、視感透過率が75%以上であること。
4)信号光認知のための相対視感度減衰率(信号の誤認識防止)
運転用または道路での使用に適するために、赤、黄、緑、青の色を
識別できる色調であること。
4、眼鏡レンズの分類
a)眼鏡レンズは、色調・機能により分類されます。
b)眼鏡レンズは、視感透過率によりカテゴリーが、設定されます。
5,耐光性
耐光性試験(450W高圧キセノンランプ/300mm/25時間連続照射)の前後で、透過率が大きく変化しないこと。
カテゴリー 0・1
±10%以内
カテゴリー 2・3・4 ±20%以内
当社は、レンズ業界に古くから皆様に良いレンズを提供しようと努力しておりますが、ISOをはじめ貿易に関していえば、毎年その基準は変化し通常のレンズでは、PASSできなくなりつつあります。もちろん今回のJISもそのISOに順ずる訳ですから、国内も厳しくなってくることが予想されます。
そのなか、CR−39がポピュラ−なため海外製品との差別化ができず、品質が悪くても単価の点で押されているのも事実です。ぜひ、今後の展開として、日本製であるというアプローチをされる皆様にお役に立てばと思います。